高齢化社会を迎えて「骨粗鬆症」という病名をよく耳にするようになりました。しかし正しく理解されている方は実際に骨粗鬆症になり治療を受けている方ばかりで、それ以外の方は「聞いたことはあるけど詳しいことは分からない」という方がほとんどです。今回は骨粗鬆症についてお話してみようと思います。
骨粗鬆症は60代以上の女性に多く見られる疾患で、全身の骨のカルシウム量が減少する病気です。なぜ女性に多いかというと、男性と女性の身体にとってのカルシウムの役割の違いが関係しています。男性にとってのカルシウムは肉体労働に耐えうる強い骨格を維持するために存在しており、年齢を重ねても大幅に減少する事はありません。一方で女性にとってのカルシウムは「子供を作るため」に体内に存在しています。自身の骨を子供に分け与えて一人の人間を作るわけですから、体内においてカルシウムは女性ホルモンによって厳重に管理されています。しかし閉経を迎えて卵巣の機能が停止すると以降妊娠出産は出来なくなり、この時女性の身体にとってカルシウムは不要なものとなります。カルシウムは体外にどんどん排出されるようになり骨粗鬆症になってしまうのです。
女性は誰でも骨粗鬆症になるの?
卵巣からの女性ホルモンの分泌が減少・停止することによって骨粗鬆症になりますが、これは誰でも平等に起こります。しかし、進行の速度や程度は人によって差が生じます。では骨粗鬆症になりやすい人はどんな人なのでしょうか?
・カルシウムの摂取不足
牛乳が苦手だったり、魚(特に小魚)をほとんど食べない。
・慢性的に腸の弱い人
食品やサプリメント等で積極的にカルシウムを摂取しても、カルシウムを体内に取り入れる腸のコンディションが悪いと吸収率が下がります。
・運動不足な人
骨は刺激を与える事で強くなります。運動不足の方は骨に対する刺激量が少ないため骨の強度が減弱します。
・血の繋がった親族に骨粗鬆症の方がいる
骨粗鬆症は遺伝傾向が強く、お婆様やお母様、ご姉妹に罹患している方がいる場合は将来的に重度の骨粗鬆症を発症する可能性が高くなります。
いかがでしょうか?いくつ当てはまりましたか?この4項目の中で最も重要なのが4番の「遺伝」です。親族の中に骨粗鬆症の方がいらっしゃる場合は高い確率で高度な骨粗鬆症に罹患すると思っておいたほうが良いと思います。「いつの間にか骨折」という腰の曲がる原因になる背骨の骨折や転倒した際の大腿骨頸部骨折、手足の骨折を引き起こし高度な後遺症や手術を必要とすることもあるなど決して侮れない疾患です。
ではどのようにしたら予防できるのでしょうか?
・運動をしましょう
骨は衝撃を与える事で強度が増します。よって自転車などの乗り物ではなく歩くことの方が効果的です。一日6,000歩を目指しましょう。もし腰や膝に痛みがあって継続歩行が困難な場合は、つま先立ちをしてトスンと落とし踵に刺激を与える方法でも効果があります。1日100回を目標に頑張りましょう。
・ビタミンDを摂取する
食品やサプリメントでカルシウムを摂取しても腸からの吸収率を上げないと骨密度は効率的に上昇しません。カルシウムの吸収を促進する栄養素としてビタミンDがありますが椎茸や青魚に多く含まれています。イワシなどの青魚を骨ごと食べると吸収率が向上します。
・早めの対策が効果的
血の繋がったご親族に骨粗鬆症でお悩みの方がいらっしゃる場合はいずれ自分にも起きると思っておいた方が良いと思います。腸をはじめとする消化器系が元気な若いうちから対策することが吸収率も上がりより効果的です。若いうちはピンと来ないとは思いますが、出産等で体内カルシウムが減少する30代の頃からカルシウムとビタミンDを積極的に摂取する習慣を付けましょう。
加齢性の変化により運動がままならないという方もいらっしゃると思います。当院ではそういった方に「EMS」という治療器を使って筋力強化を図っています。寝ているだけの痛みの無い治療となりますので興味のある方は是非ご相談ください。
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