肩こりは国民病と呼ばれるほど多くの方を悩ませている症状です。以前はアジアの女性に非常に多い症状でしたが最近ではパソコン操作など就労環境の変化で男性の方にも多く見られます。なぜアジアの女性に多かったのかというと欧米の女性に比べて体格が小柄ですが頭の大きさにはあまり差が無いこと、骨そのものが細い事が原因です。筋肉は骨には付きますので、骨が長く太い欧米の女性の方が多くの筋肉を付ける事が出来ます。肩の筋肉の重要な仕事に「頭を支える」がありますが、頭の大きさはアジア人も欧米人も殆ど変わりません。頭の重さは成人で6㎏前後あると言われていますから、大きな筋肉で同じ6㎏を支える欧米人の方が肩の筋肉にかかる負担が少ないのです。同じ大きさのものを2人で支えるのと5人で支えるのとを比較すれば筋肉の量が肩こりの原因に大きく影響していることが分かると思います。女性に比べると男性の方が身体が大きく筋肉量が多いので肩がこりにくいと言われてきましたが先にも述べた通り就労環境の変化により男性にも肩こりを訴える方が大変増えてきています。なぜなのでしょうか?
筋肉の本来の仕事は伸び縮みする事で関節を動かすことです。筋肉は伸び縮みする事で筋肉自体がポンプとなり血液循環を促進します。しかしパソコン作業のようにある一定の姿勢を維持する事を続けると、筋肉は仕事をしているのにポンプが作動していない為筋肉が活動するのに必要な酸素や栄養分の供給が悪くなり疲れを感じるようになります。そこに姿勢の左右のアンバランスが加わると「いつも左の肩がこる」といったような症状が現れます。これが皆さんが肩こりを感じる一番の理由です。肩こり改善のためにストレッチをするのはポンプを作動させて酸素と栄養を筋肉に供給しようとしているためで、疲れてくると皆さんが無意識に行う背伸びや首を回したりする行動もこれに当たります。
〇肩こりを引き起こす主な原因
- 猫背
猫背になると、肩凝りを起こす代表的な筋肉である僧帽筋が上下に引っ張られます。この状態を長時間維持すると僧帽筋はポンプが作動せずに硬くなり肩こりを感じるようになります。
- 巻き込み肩
これは肩が前方に巻き込むような状態になる事を言い、猫背の方の多くがこの巻き込み肩を合併しています。この場合僧帽筋と肩甲骨の間にある菱形筋が左右に引き伸ばされ硬くなります。猫背+巻き込み肩の場合は僧帽筋が上下左右に引っ張られます。
- なで肩
日本人では男女比が8:2で女性に多く見られます。肩甲骨が通常よりも下方に下がってしまっている状態をいい、この場合僧帽筋と共に斜角筋という筋肉も同時に伸張されます。斜角筋が緊張するとその近くを走行している腕に行く神経や血管の束を圧迫し指先の冷感(左右どちらか)やシビレの原因(斜角筋症候群)となります。
〇猫背、巻き込み肩のセルフチェック
肩はこるが猫背や巻き込み肩かどうか分からないという方は以下の手順でセルフチェックをしてみて下さい。
- ご自身なりにまっすぐ前を向き、背を伸ばし胸を張ります。
- そのままゆっくり両腕を同時に上に挙げていきます。
- 顔をまっすぐ前に向けた状態で上げた腕を両耳につけるように内側に動かします。
→すんなりと両耳に腕がついたり、更に頭の後ろまで腕を上げられた方は猫背の可能性は低く、また猫背であっても筋肉の緊張がまだあまり強くない方です。
→腕と耳の間に隙間が出来たり、何とか耳につけようとお顔が下を向いてしまった方は間違いなく猫背の状態です。
〇肩こりは治るの?
肩こりは書いて字のごとく肩の筋肉がこる=硬くなることによって起こりますので、筋肉を柔らかくすれば症状は改善します。筋肉を柔らかくすることは実はとても簡単でマッサージをすれば硬くなった筋肉はほぐれます。では何が難しいかというと「柔らかいままにしておく」ことなのです。そのためには筋肉を硬くしている原因を改善しなければほぐれた筋肉は再び硬くなります。根本的に治すためには前述した猫背や巻き込み肩を改善が必要です。ただ猫背は長年にわたって沁みついた癖のようなもので、改善するには時間が必要です。
当院では肩こりの辛さを改善するのに最低3ヶ月、猫背そのものを改善して定着させるまでに6ヶ月、それを安定させるためには1年を見ています。肩こり歴が長いほど期間を要します。治療の方法は筋肉を柔らかくするためのマッサージと骨格を正常な位置に戻すための矯正治療を行っています。当院の矯正治療は痛くありません。長年に渡って肩こりでお悩みの方は是非ご相談ください。
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